Creoで新しいパーツを作成した際、質量特性(PRO_MP_MASS
)が正しく反映されない問題に遭遇したことはありませんか?
質量特性の計算はできているのに、パラメーター PRO_MP_MASS
に値が表示されない場合、いくつかの原因が考えられます。
今回は、その原因と具体的な対処法を分かりやすく解説します。
目次
問題の概要
- パーツの形状や材料を設定し、質量特性を計算しても、パラメーター
PRO_MP_MASS
に値が自動で反映されない。 - レポートやテーブルに正しい質量を表示できない。
解決策一覧
1. 質量特性パラメーターの確認
PRO_MP_MASS
は質量特性を表す標準パラメーターですが、モデルに正しく設定されていない場合があります。
手順
- Creoのメインメニューから [ツール] → [パラメーター] を開きます。
- パラメーター一覧に
PRO_MP_MASS
が存在するか確認します。
- 存在しない場合は、新しくパラメーターを作成します。
- 名前:
PRO_MP_MASS
- タイプ: 数値
- 名前:
- 存在する場合は、値が更新されるか後述の方法で確認してください。
2. 質量特性の自動計算を有効化
PRO_MP_MASS
に値が反映されるには、質量特性の計算が自動的に行われる設定が必要です。
手順
- Creoの設定ファイル
config.pro
を確認します。 - 以下の設定を追加または修正します。
mass_property_calculate →automatic
- Creoを再起動して設定を反映します。
ポイント
設定がby_request
の場合、手動で計算しないとPRO_MP_MASS
が更新されません。後述の再計算手順を参照してください。
3. 質量特性の再計算
パーツの形状や材料を変更した後、質量特性が正しく更新されない場合があります。
手順
- Creoのメニューから [分析] → [質量特性] を選択します。
- [計算] ボタンをクリックして、最新の質量特性を再計算します。
- パラメーター
PRO_MP_MASS
に値が反映されているか確認します。
4. スタートパーツの設定を確認
新規作成したパーツのテンプレート(スタートパーツ)に問題がある場合、PRO_MP_MASS
の自動設定が正しく動作しないことがあります。
手順
- 使用しているテンプレート(スタートパーツ)を開きます。
- パラメーター
PRO_MP_MASS
が正しく設定されていることを確認します。 - 必要に応じて、以下の手順を参考にスタートパーツを修正します。
- [ツール] → [パラメーター] で
PRO_MP_MASS
を追加。 - テンプレートに適切な材料や単位を設定。
- 修正後にテンプレートを保存し、新しいパーツ作成時に適用。
5. 式を使用してパラメーターをリンク
PRO_MP_MASS
と計算された質量特性を明示的にリンクすることで、値が反映される場合があります。
手順
- Creoのメニューから [ツール] → [関係式] を選択。
- 以下の式を追加します。
PRO_MP_MASS = mp_mass()
- 関係式を保存し、モデルを再生成します。
PRO_MP_MASS
に正しい値が表示されているか確認してください。
6. レポートやテーブルの更新
レポートやモデルツリー上で表示が更新されない場合、手動でリフレッシュが必要です。
手順
- レポートテーブルを右クリックし、[更新] を選択します。
- モデルツリー上でパーツを右クリックし、[再生成] を選択します。
まとめ
以下のチェックリストで問題を確認し、解決に役立ててください。
PRO_MP_MASS
パラメーターがモデルに存在しているか。config.pro
にmass_property_calculate automatic
の設定があるか。- 質量特性が正しく再計算されているか。
- 使用しているテンプレートが適切に設定されているか。
- 式で手動リンクを設定したか。
- レポートやモデルツリーを更新したか。
これらの手順を踏めば、PRO_MP_MASS
が正しく反映されるようになるはずです。
質量特性の問題を解消し、より効率的な設計作業を実現しましょう!
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